「ザ・ウォーカー」 男がひたすら一冊の本を運ぶ話
戦争で荒廃した未来、一人の男が、ひたすら西に向かって旅をしている。
その目的は、一冊の本を届けること。
襲い来る盗賊を超人的な戦闘能力でなぎ倒しながら、ある街に着くと、そこにはその本を狙う支配者がいた。
という話。
男が食事前に祈りを捧げたり、独裁者は「この本があれば人を従わせることができる」として欲しがっていること、そしてここがアメリカであることから、誰もが、その本が何なのかが薄々分かる。
これはネタバレにもならないと思うので書くが、想像する通り、この本は聖書だ。
主人公は、人々を幸福にするために聖書を守る。
支配者は、人々を従わせるために聖書を求めている。
ストーリーは非常にシンプルなのだけれど、宗教の2面性を実に良く表現していて秀逸だ。しかもその二人が白人と黒人というところも意味深である。
さて、この映画、実は最後に、あっと驚きのオチが用意されている。
これはまだ見ていない人に絶対に言ってはいけない。その緘口令のレベルは、言わば、あの「シックス・センス」並である。
デンゼル・ワシントンが主人公で、敵役が、ゲイリー・オールドマン。
贅沢な配役だが、世界観はシンプル。だからこそ表現しているテーマが力強い。
ちょっとおすすめの映画である。
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