愛すべき保守的人生たち
昨日、大学時代の仲の良かったクラスメート2人と、なんと30年ぶりに会って、飲んだ。
皆、さすがに老けたとは言えるけれど、思ったほど変わっていない。ちょっと話し出せば、それぞれのキャラや雰囲気は昔のままだ。
だからきっと、私も彼らから見たら、ほとんど変わっていないんだろう。
面白かったのは、それぞれが話したその後の人生だ。
一人は学年で1、2番を争う成績優秀者だったので、某有名電機メーカーに就職した。内定も早かったと思う。
我々が就職活動をしていた年は、オイルショックの余波で、非常に就職が厳しかった。私は、そこそこの医療機器メーカーになんとか引っかかった。
もう一人は、なかなか内定が取れず、ついに志望路線を大幅に変更して、なんと県警に行った。
そんなそれぞれの就職をした3人だったのだが、昨日話を聞いて驚いたのは、皆、その後勤務先が変わっていないのだ。
正確には、某有名電機メーカーに行ったやつは、数年前にリストラの憂き目に遭い、全く関連性のない企業を紹介されて転籍していたのだが、それはまあ、会社都合だ。
つまり、3人とも、学生時代に選んだ、もしくは、選ばざるを得なかった道を、そのまま30年間続けてきたのだ。
そう思うと、まあ、そういう人間たちかも知れないなと思う。だから気が合ってきたのかも知れない。
みんな、穏やかな、やさしいやつなのだ。保守的だけれどね。
自分からアグレッシブに人生を切り開いていく、そういうタイプじゃなくて、運命を受け入れていく。
振り返ってみて、完璧に幸せだったとは言わないけれど、そこそこ不幸じゃなかったという人生。
それもきっと、決して悪くない。
また、彼らとは、10年後、20年後にも会って酒飲める、そういう気がするのだ。