年の瀬に今さらながらビル・エバンスを聴く

今年最後のゴミ出しが終わって、さて一休み。

何かゆったりと見れる映画でも見たい。

と思って、Huluで以前に書いたこの映画をまた見てみた。この季節にピッタリの雰囲気だと思ったので。

この映画の中で豊川悦司が演じるバーのマスターと、おりからの停電でキャンドルがいっぱい飾られたバーの雰囲気がとても良いのだけれど、そこでマスターが好きでいつもかけているのが、この有名なアルバム。

1曲めのMy Foolish Heartは、この映画のテーマ曲にもなっていて、静かな雪の夜に、キャンドルを灯しながら、来るはずのない人を待っている、そんな心情を見事に表現して素晴らしい。

この映画を改めて見て、そんなことを感じたら、この有名過ぎるアルバムを買ってみようかと思った。

このアルバムは、たしか学生時代に入り浸っていた自由が丘のジャズ喫茶で聴いたことがあったと思うのだが、それ以来、まともに聴いたことがない。

私もちょっとひねくれたところがあって、誰もが通る道、的な名作というのは手を出さないところがあったし、昔聴いたビル・エバンスは、何か静かなだけで、私の欲するジャズというものとはちょっと違っていると思っていた。

でも今、やっと、その良さを感じることができるようになった気がする。

多すぎない音。

音楽は、弾くことじゃなくて、弾かないことでもある。

それが分かるようになってきた今、やっとこの音楽が聴けるようになってきたのだろう。

確かに、非常に遅まきながらではある。

でも、人生、死ぬまでにわかれば良いのだ。どんなことも。