「もう一つのエンディング」の方が絶対に良い「奇跡の輝き」

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この映画を一言で表すとすれば、アメリカ版「丹波哲郎大霊界」というところだ。

もっとも質はかなり異なるけれど。

主人公は子供二人を同時に事故で亡くし、その後に自分も事故で死んでしまう。さらに最後に残された妻も自ら命を断ってしまう。

そこまで殺すか?と誰もが思う安易さは否めないけれど、これは死んだ後の世界を描く映画なので、主要な登場人物にはまず死んでもらわないと話が始まらないのでやむを得まい。

映画の中で描かれる「あの世」は、概ね正しいのだろうなと私は思った。もちろん、私自身が「あの世」を見たことがあるわけではないので、いろいろな本に書いてあったことからするとだけれど。

例えば。

「あの世」では、全てが思いのままであること。風景も、住む家も、自分の姿も、能力も。

死別した人とは必ず会うことができること。でもそれが元の姿のままでとは限らない。

望めば、また現世に生まれて来ることができること。魂で結ばれているソウルメイトであれば、現世でまた出会って一緒になることができること。そのように運命が、生まれる前に、いつどこでどうやって出会うかまで、あらかじめ決められていること。

これらは、私が今までに聞いていたことと一致していた。

ただひとつ、この描き方はどうかなと思ったのは、「地獄」についてだ。この映画では、自殺者は地獄に行くという設定になっている。

自殺することが良くないということを描きたいがために、分かりやすい設定にしたのだろうとは思うのだが。

一方、魂が揺さぶられる思いのシーンもいくつかある。

主人公が姿を変えた娘にめぐり逢うシーン。娘は、生前に父が気に入っていたアジアのスチュワーデスの姿となって父の前に現れたのだ。

そしてもう一つは、DVDの特典映像として収められている、「もうひとつのエンディング」だ。

このエンディングの方が絶対に良い。

というか、このエンディングでなければ、話のオチは完全についていないし、何故、主人公の夫婦がもう一度人生をやり直してまで、また出会い直そうとするのかが分からない。

この映画を見るのであれば、ぜひ、DVDでもう一つのエンディングをお楽しみ頂きたいと思う。