「死ぬのを恐れて 生きることができない」
「おもひでぽろぽろ」は、高畑勲監督作品の中では私が珍しく好きな作品である。
この映画は、「痛い」のだ。いろいろと。
この映画の随所に散りばめられた、「痛さ」が、自分が実際に今までの人生の中で経験してきた「痛さ」と通じるものがあるのだ。
その「痛さ」は、自分と向き合った時に感じるどうしようもない、情けなさや不甲斐なさや恥ずかしさ。そんなようなものだ。
その映画のラストシーンで、なんと都はるみの歌唱で、この歌が流れる。
2番の歌詞。私はこれにやられた。
挫けるのを 恐れて
躍らない きみのこころ
醒めるのを 恐れて
チャンス逃す きみの夢
奪われるのが 嫌さに
与えない こころ
死ぬのを 恐れて
生きることができない
もう、グサグサっと心臓を突かれる思いである。
何故なら、私の今までの人生、まさしく、このままだったじゃないか。
でもね。
最近、やっと死ぬのを恐れない覚悟が出来てきた気がするのである。
いや、実際に死ぬのは、まだ嫌だよ。
だから、死ぬことはしないのだけれど、それを恐れて、生きることができないということは無くなってきたかなと。
生きるよ。
本当の意味で。これからは、それがちょっと出来るかなと思えている。
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