操縦士の乗っていない旅客機について

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操縦室に窓のないジェット機、エアバスが特許申請 « WIRED.jp

エアバスは、飛行機の操縦システムに革命を起こそうとしている。

窓から外を見て操縦するのを止めて、立体ホログラム映像を見て操縦するというシステムの特許を出願したというのだ。

窓のない操縦席。

そうすると操縦席を機体内のどこに置くこともでき、構造力学的、スペース的に色々メリットが出てくるということらしい。

だがちょっと待て。

コンピュータグラフィックの技術によって外を見て操縦する必要がないのであれば、その操縦席はもはや飛行機の中にある必要すらないのではないか?

操縦席は地上の航空会社のビル内かどこかにあって、データ通信により、その飛行機の置かれている状況を完璧に再現することが出来るとしたら・・・。

ヴァーチャルな計器だけで構成されたコックピットに関する実用面での大きな問題(一部または完全に電力を喪失した緊急時など)も考慮はされていない。

とあるけれど、確かに何らかの事故で電力が失われた場合、全く操縦できなくなるというリスクがあるのだが、そういうリスクは、むしろ操縦席が地上にある方が少ないのではないか。

飛行機の中には最低限のカメラや通信機器を動かすだけの電力があれば良く、地上にある操縦席は全くそういう事故の心配はないのだから。

でも、まあ、何であるな。

いくら理屈の上ではそうであっても、やっぱり最高責任者である機長が一緒に乗っていない飛行機には乗りたくないのが、普通の乗客の感覚だろうし、万一、墜落事故が起きた時には、機長は地上にいて助かる。というのは、技術的というより、倫理的に乗り越えなくてはいけない問題がいろいろあると思われる。