時代の変遷とともに消えたジャンボジェット
この3月末で、JALとANAの国内線からジャンボジェット、ボーイング747が全て引退した。
私は747が今でも好きで、旅客機の王者が空港から見られなくなるのが寂しい限りである。
ところで747の生い立ちについてこんな記事があった。
ボーイング747はどんな飛行機だったの? 日経トレンディネット
747は大量輸送が求められた当時の時代背景に応え、旅客機の運航コストを半減した。
それまでの主役であった、ボーイング707やダグラスDC-8と比較すれば、倍近い乗客数を一度に運ぶことが出来るようになったのだ。
当時の旅客機の進化の路線は2つあった。一つは大量輸送、もう一つは高速化だ。
747はその大量輸送の一翼を担った。高速化は、アメリカに先立ってイギリスとフランスが共同で開発したコンコルドに代表される超音速旅客機の開発競争。しかし、この高速化路線は結局コストが見合わずに絶滅した。
かくして、747は40年以上の長きに亘り、旅客機の王様として君臨する傑作機になったのだ。
では何故、その傑作機747が引退しなくてはいけなくなったのか?
それは双発機の進歩によるものだ。
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によれば、以前はジェット旅客機はそのエンジンの信頼性の問題で、4発無ければ大西洋を渡ることが出来なかった。だから、707、DC-8、それに747に至るまで、全ての旅客機のエンジンは4発だった。
しかし、エンジンの改良が進んで、ボーイング767がついに大西洋を超える飛行が出来るようになった。その後に開発された、777も787も、全てが双発機だ。
同じ信頼性、性能が維持できれば、双発機は当然4発機よりもコストの点で有利である。
エアバスは4発機A340を開発したので、長距離旅客機は4発であるべきと最後まで主張していたらしい。そういえば超巨人機A380も4発である。この飛行機は今後どうなるのだろう?
というようなわけで、我が愛する747は、時代に合わず引退することになったのだ。
これは以前に羽田空港で私が撮った写真で、お気に入りの1枚なのだが、今こうして見ると、夕映えの中で手をふるスタッフの姿がちょっと感傷的である。
お疲れ様でした!