「花とアリス」
先週の北海道出張中の夜、ノートPC+Huluで見てみた。
蒼井優と鈴木杏。実力派の若手女優二人が演じるのは、女子高生の親友同士。これがとても自然でリアルなのだ。
桜の花の下を二人ではしゃぎ回る様は妖精たちが遊んでいるようにも見えたかと思えば、初恋の相手の男の子を巡っては不器用で無様だったり、この二人の描写というか、演出が、この映画のテーマそのものと言っても良いのだろう。
岩井俊二監督作品は見るのが初めてだったので、これがこの監督の持ち味なのかどうかは、他の作品も見てみて分かってくるのだろうけれど、同じように若手の女優を上手く使う監督としては、大林宣彦監督を思い出した。
大林宣彦監督は、とにかく、その女優の魅力を120%引き出す。美しく、可憐に。魅力を引き出す。というよりもむしろ、作り上げると言った方が良いかも知れない。原田知世も、富田靖子も、そうだった。
ところが、この映画の岩井俊二監督は、むしろ女優たちの化粧を剥がす。スッピンにしてしまって、そこから、その女優の人間的な魅力を引き出すのだ。
だから、この映画の中の蒼井優も鈴木杏も、いつも若い女の子としては野暮ったい普段着やジャージ姿だし、表情も、この子たちなら、もっと見た目をよく出来るのに、と思えるほどだ。
おそらく、それも全て計算なのだろう。
大林宣彦監督のように、おとぎ話の中に主人公を遊ばせるのではなく、日常の中において、決めるべきところでキラっと光らせる。そういうやり方なのだ。
それが、最後の蒼井優のバレエシーンに凝縮されているのだろう。
彼女たちの表情を見るために、もう一度見てみたいと思った。
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