「四月物語」 岩井俊二作品を続けて見てみた。

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1998年。松たか子の映画初主演作品だったらしい。

冒頭、駅のホームで娘を見送る父親役として、松本幸四郎がちょこっと出演しちゃってるのがご愛嬌。

松たか子演じる主人公は、東京の大学に入学するために北海道から上京し、一人暮らしを始める女の子。

内気で奥手を絵に書いたような田舎出の女の子は、実は先に同じ大学に入学していた憧れの先輩を追いかけて来たのだった。

この映画は約1時間と、小品である。

4月の柔らかな日差し、温もりのある空気感。それが彼女を包み、陽だまりでぬくぬくするかのような心地よさのある映画だった。

まあ、それだけの映画なんだけど、それが良い。

Amazonを見ていたら、秀逸なレビューがあったので引用させていただきたい。

まず 一時間強という短い上映時間が上手い。ハリウッド映画がご馳走で満腹であるとしたら この映画は 腹八分目どころか 腹半分というところで終わってしまう。観た後の空腹感は 相当なものがあるが それが良い。腹いっぱいになるだけが食事でないことと同じである。


短い時間だけに 話の展開もあっさりしているし 各エピソードも何かがありそうでありながら 何も完結していない。その中途半端さが気になるが よく考えると 我々の青春自体が 何もかも中途半端で 完結していなかったことに気が付けさせられる。色々な夢や希望を持ち 何となくトライはするものの 所詮儚くなっていくということは 既に我々が通ってきた道ではないか。その意味では 主人公は 人生の入り口に立っただけで 何がこれからどうなるのやらは全く不明である。


そんな 宙ぶらりんな姿が なんともチャーミングである。


By くにたち蟄居日記



四月物語(1998年) - YouTube

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