だんだん面白くなってきた「ダンダリン」

間違ってはいなかったと思うが残念であった「ダンダリン」 - weekend_todo v2.0

で、「まあこんなものなのかなとは思うが、次回以後も見るかどうかは微妙である。^^;」と書いたのだけれど、その後もずっと見ていた。

だんだんと面白くなってきたのである。決してダジャレではない。

このドラマが面白いのは、まず登場人物個々のキャラがなかなか立っていることと、描き方は時にマンガチックではあるものの、きちんと関係法規にのっとって、間違ったことを書いていない、どころか、現代の労働環境における根深い問題を、タイムリーに結構鋭くついているところだ。

今週放送された中にこんな台詞があった。宿敵の社労士とダンダリンの対決の場面だ。全ての社労士がそのために仕事をしているわけではないが、このドラマでは、社労士は企業の利益を守ることを第一義に考えているという設定になっている。

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「どの企業もお金と時間をかけて人材を育てているんです。それなのに一人前になったとたんにさっさと辞められたら企業はつぶれてしまいます。それでは新たに人材は育てられなくなる。これは重大な社会的損失です。個人のわがままを振り回されていては、いつまでたっても日本経済は低迷したままだと思いませんか?」


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「申し訳ありませんが、私は個人の正当な権利をわがままと表現するような考え方こそが、今の日本にブラック企業を蔓延させてしまった原因だと思います。」

労基法は難しい。

難しいというのは、それが難解だという意味ではなくて、それは時として企業を潰しかねない可能性もはらんでいるからだ。労働者の権利を守ることが目的でありながら、労働者から職を奪う結果になっては本末転倒だ。

そうなる危険性をはらむ劇薬だというところが、労基法は難しいということだ。

このドラマのテーマは、その難しさの中で、どこに落とし所を持ってくるのが、果たして正解なのだろうか? と考えさせるところにある。

この回の結末も、それを感じさせるラストになっていた。


ダンダリン 労働基準監督官|日本テレビ