「クリムゾン・タイド」
組織の中で、大きな方針を決める時、どちらが正しいか分からないが、どちらかに決めなくてはいけないという場面がある。
ましてや、それが全世界の命運を分ける決断だとしたら、自分は一体どちらに与するだろう?
「クリムゾン・タイド」はそういう映画だ。
ロシア国内の内戦が激化し、反乱軍が政府の弾道ミサイルを奪い、発射のための暗号も解読し、照準をアメリカと日本に向けているという非常事態。原子力潜水艦アラバマは万一に備えロシア近海に配備される。
アラバマは本国からの先制攻撃命令を受け、ミサイル発射準備をしているさなか、反乱軍潜水艦の攻撃を受け、次の命令を完全に受信できないまま、通信が途絶してしまう。
完全に受信できなかった命令の内容は何だったのか? もしそれが、発射中止命令だったとしたら? 最初の命令を受けミサイルを発射すべきだと主張する艦長と、後の命令を確認すべきだと主張する副長に艦内は分裂する。
部下の士官たちも、艦長と副長のどちらにつくべきか、決断を迫られる。
ジーン・ハックマンが艦長を、デンゼル・ワシントンが副長を演じている。この二人の演技が実に素晴らしい。
戦争ものとしては、密室劇的なユニークな設定の映画だが、久々に見応えのある硬派な映画だった。Amazonで★5つもうなづける。
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
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