「残業代ゼロ」というのは、「残業を禁止する」ってことじゃないですから。

残業代ゼロ時代が到来! もう残業代で稼げない!? | ニコニコニュース

という記事の筆者氏は勘違いをしておられるようだ。

政府では労働時間ではなく成果で報酬を決定しようとする労働時間制度が容認されています。いわゆる「残業代ゼロ」法案です。もしも、残業が出来なくなったらどうなるのでしょうか。

いやいやいや。

「残業代ゼロ」法案というのは、いくら残業をしても残業代が出ないという法案であって、残業を禁止する法案ではないですから。

かつての安倍政権の時に出された、ホワイトカラーエグゼンプションという案の時、当時の安部首相が、「残業代が出なくなれば皆早く帰るようになる。」というトンチンカンなことを仰っていたのを憶えているが、この筆者氏も同じ勘違いをしておられるのだろうか?

つまり、労働者は残業代を稼ぐために残業をしているので、残業代が出なくなれば、残業をしなくなる。

そう思っておられるということだ。

「残業代が出ない=残業をしない」

本当にそう思っておられるとしたら、この世に「サービス残業」というものが存在するということもご存知ないのだろうし、それが存在する理由も、おそらく想像出来ないにちがいない。

実態は、違法と知りつつ、残業代が出ないと知りつつ、やむを得ず働いているのだ。

働いた時間ではなく、成果で報酬を決める。という考え方。

そのこと自体に異論を唱えるつもりはない。それが本来の姿だと思う。

でも、こんな基本的な勘違いにさえ気づかない日本の現状で、果たしてこの「残業代ゼロ法案」の本当の意図が、皆に理解されるのは、やっぱり難しいのだろうな。

今日はそう感じたのであった。