《なんでも仙人》の癒しの人生相談

あなたのよろず悩み事 魂レベルでスッキリ解決  さあ《なんでも仙人》にど~んと聞いてみよう

あなたのよろず悩み事 魂レベルでスッキリ解決 さあ《なんでも仙人》にど~んと聞いてみよう

正月休みの最後の日、本屋で見かけて買い、帰りに寄ったカフェで2時間ほど、一気に読んでしまった。そんな読みやすい本だった。

心理カウンセラーの著者が、あるとき「自分を導いてくれる存在」とコンタクトできて、以来、その存在を「なんでも仙人」と呼んで、自分について、また自分のクライエントさんの相談について、いろいろなことをたずねたという本である。

「なんでも仙人」はとてもユーモアのある優しいおじいちゃんであり、その言葉は愛に満ちて、癒やしを与えてくれる。

冒頭、著者が家事が苦手な自分を責めていたとき、「なんでも仙人」は、「そちはもうすでに、十分頑張ってきたのじゃよ」と言う。もう既に大成功の人生なのだと。

「分かるかね? 不完全さが許され、自分をありのまま認められた時、その人の中から自然に愛のエネルギーがあふれ出す。これが『向上する』ということなのじゃよ」


これが、この本を貫くテーマでもある。自分を「許す」こと。多くの悩みは、自分が既に十分頑張っていると気づくことで消え去るのだと。「なんでも仙人」は、繰り返し、そのことを説く。やさしく、慈愛に満ちた語り口で。

本の後半は、色々な人生相談の実例をあげて、「なんでも仙人の人生相談」風になっている。子育ての悩み、姑との悩み、仕事の悩み。夫婦関係の悩み。色々な悩みに答える様は、ちょうど、有吉とマツコの「怒り新党」みたいで面白い。

その中で、「おや?これは・・・」と思った仙人の発言があった。

「変わりたくても変われない人や、自分を否定している人に向き合う時はな、『今はこういう状態なんだね』『今はこう思うんだね』と、変わりたくても変われない状態を、ありのまま認めてあげるんじゃよ、それだけでいい」


これ、カウンセリングて言うところの、「受容と共感」そのものではないか。「受容と共感」をしっかりすれば、それだけで、クライエントは自ら自己探索に入っていけるのだ。

スピリチュアルな世界の「自分を導いてくれる存在」が語ることが、奇しくも、カウンセリング初歩の教科書に書かれていることと同じだった。

この本は、読む人を癒やしてくれる人生相談であると同時に、カウンセラーを目指す人にとっても、魂レベルの見方から、「受容と共感」ってこういうことなのだと理解できる本だとも思った。