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「自分で年金をつくる最高の方法」

自分で年金をつくる最高の方法 (コミュニティ・ブックス)

自分で年金をつくる最高の方法 (コミュニティ・ブックス)

を読んだ。

最近、多くの会社で導入されている企業年金の一形態である、確定拠出年金についての、実に分かりやすい解説書である。

確定拠出年金は、私の勤める会社でも導入されたのだが、導入時の教育を聞いても、そもそも、年金と退職金の区別もついていない一般社員にいきなり話をしてもなんのことやら良く理解できない。ましてや若い年代の人にとっては、定年後の年金など、漠然とした不安はあっても、実感がわかなくて当然だろう。

特に確定拠出年金でわからないのは、「ご自分で運用するんですよ」と言われても、運用なんて知識もないし、やったことないし、だからそれで資産を増やすなんてことが自分にできるとは思えない。怖いから、とりあえず元本が減らない定期預金に入れておいて、そのうち忘れ去る。

という人が非常に多い。実際、うちの会社でも定期預金のままでまったく触っていない人、ネットでいつでも自分の残高が確認できるのに、それを見たことすらない人がかなりの割合でいる。

私自身は、人事部であるという立場上、いちおう自分の口座は頻繁にチェックし、株価の上下に合わせて商品の配分変更などもやってみた。やってみると、結果がそれなりに出てくるので、なかなか面白いのであるが、やっぱりわからないのが、たくさんある運用商品の中から、どれを選ぶのがベストなのか、その考え方だ。

運用会社も、自分が勤めている会社も、それを聞いても教えてはくれない。「この商品が良いですよ」とは言ってはいけないことになっているからだ。

この「自分で年金をつくる最高の方法」は、副題に「確定拠出年金の運用【完全マニュアル】」とあるように、上記のような初心者がもつ当然の疑問や不安、そして禁断の?商品配分についての具体的なアドバイスまで、必要十分な内容を、過不足なく、かつ非常にわかりやすく、説き明かしてくれる。

どのジャンルに限らず、素人に専門用語を使わずに、わかりやすく説明するのは、本当にそのことを理解している人でなければできない。

著者の大江英樹氏は、野村證券で長年確定拠出年金に関わってきた、この道のプロ中のプロであり、実に明快で、読者への「愛」すら感じる語り口である。

氏の本を読むのはこれで2冊めになった。前に読んだのはこれ。定年を迎える身に勇気を与えてくれた1冊であった。