「ゼロ・グラビティ」生涯最高の宇宙映画を見た。

一言で言えば、スペースシャトルの乗員が船外活動中にスペースデブリの雨に襲われ、漂流してしまったのだが、色々困難を乗り越えて最後は助かる。というだけの映画である。

「だけの」というのは決して卑下したつもりの言い方ではなく、本当にそうだからだ。地球上のシーンは殆どないし、時間軸の前後もない。本当に、漂流を始めて助かるまでを、殆どが主人公のサンドラ・ブロックの一人芝居で描いている。

この映画は劇場で、それもIMAXで見るべきという意見が多く、それは確かに同感なのだが、この映画の圧倒的なパワーは、3Dのものすごい映像から来るものではなく、とにかく表現やストーリーの無駄を一切省き、描きたいものだけに集中して描き切ったことによるものだと思う。

私はSF映画が好きなので、多くの宇宙ものも見てきたけれど、「ゼロ・グラビティ」は間違いなく、私が今までに見た宇宙ものの中で最高傑作だ。

ちなみに、宇宙服を脱いだサンドラ・ブロックがショートパンツであることについて、「宇宙船内であの格好はないだろう」という意見がレビューにあった。

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私も最初はそうかもと思っていたが、彼女の宇宙服の下をこの格好にした目的は、ラストシーンで分かる。このラストシーンは、大好きである。宇宙と地球の関係、そして生命の力強さを描き切った秀逸なシーンだと思う。

ともあれ、今までに体験したことのない映像体験だけでも十分価値のある映画。その片鱗は下記の最新映像で感じて頂けるだろう。これは予告編ではなくて、冒頭の事故シーンそのものの一部である。