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条例だろうが何だろうが、私はこれからもビールで乾杯する。

最初の1杯は日本酒で、という乾杯条例を24自治体が制定。でもビールはゴクゴク飲めて、つまみが大ざっぱでいいからこそ1杯めに飲むのです。 - Rocketboy Digital

最初は、まさかネタだと思ったのだが、どうやら本当に条例が制定された県があるらしい。

おいおい、ちょっと待って。

条例というと法律ではないのか? と思って調べてみたら、法律は国が定めるもので、条例は地方自治体が定めるものという違いがある。でも条例でもそれに反すれば、「2年以下の懲役又若しくは禁固、100万円以下に罰金、拘留、科料若しくは没収の刑、又は5万円以下の過料」を定められるとのことだ。

ということは、この条例が制定されたら、ビールで乾杯すると罰金や拘留されちゃう可能性があるということか? これは穏やかではない。

早速、その条例の条文を確かめてみなくてはいけない。

佐賀県 日本酒で乾杯を推進する条例


(目的)
第1条 この条例は、古くから親しまれている本県産の日本酒(以下「日本酒」という。)による乾杯の習慣を広めることにより、酒造業その他関連産業の発展及び郷土愛の醸成を図り、もって日本酒の普及を通した日本文化への理解の促進に寄与することを目的とする。


(県の役割)
第2条 県は、日本酒による乾杯とその普及の促進に積極的に取り組むよう努めるものとする。


(事業者の役割)
第3条 日本酒の生産に関する事業を行う者は、日本酒による乾杯とその普及を促進するために主体的に取り組むとともに、県及び他の事業者と相互に協力するよう努めるものとする。


(県民の協力)
第4条 県民は、県及び事業者が行う日本酒による乾杯とその普及の促進に関する取組に協力するよう努めるものとする。


第4条を見れば、県民個人も日本酒による乾杯の促進に協力しなければいけない努力義務があるということが分かる。

まあ、他の法律でも、「努力義務」というのは、実際何もしなくてもとがめられることはないので、実害はないとはいうものの、今まで何も言われていなかったことを、それも、個人の趣味嗜好に関することを、ある一つの方向を県なりが勝手に定めて、「努力せよ」と義務付けるというのは、やはり、いささか、やり過ぎだと思う。


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こんな条例、ネタだと思って相手にしないで、「とりあえず」や「乾杯!」は相変わらずビールでやっていれば良いのだろうけれど、ある日、居酒屋で隣の客が、

「君たち、今度我が県に出来た条例を知らないのかね? 県民には日本酒での乾杯の推進に協力する努力義務が課さられている。君達の行動は、その努力をしているようには見えないがね」

などと言い出したら、場がシラケるのは置いておいたとしても、正しいことを言っているので、こちらは反論出来ないのだ。

私は基本的に、新しいルールを作るというのは、ものすごく危ういものだと思っている。

何故なら、ルールが出来た瞬間から、ルールを守らない者が「悪者」になってしまうからだ。

人を動かそうと思ったときに、ルールを作る。というのは、一番安易なやり方だ。

この条例を作った自治体が、ユーモアのセンスでやっているのなら良いのだが、本気で日本酒の普及のために有効な策だと思ってこれをやっているとしたら、あまりにも考えが浅いし、危ういものを感じる。

そうだ、ビール会社は、これを営業妨害だとして訴えたりしないのだろうか?

それとも、ビール会社の方が大人なのかな? ちょっとそんな気もする。