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企業に賃上げを迫るなら、不利益変更もセットで考えて頂かないと。

経済産業省では、消費税率の引き上げ後も景気が持続的に回復するためには減税の恩恵を受ける企業が賃金を引き上げ、消費の拡大に結びつけていくことが欠かせないとして、経済界に対して異例の賃上げ要請を行うことになりました。
経産省 異例の賃上げ要請へ NHKニュース


企業向けに大幅な減税をするから、その分賃金を上げて欲しいと、政府が経済界に異例の要請をしているとのこと。

確かに消費税も上がり、賃金がそのままでは、消費はさらに減ることは間違いない。だから景気復興を実現するには賃上げが必須ということは分かる。

でも、政府が企業に賃上げしろと介入するのは、明らかに行き過ぎ、というか、上がった利益をどう配分するかは企業の裁量であるはずだ。余計なお世話としか言えない。

百歩譲って、それもまあ良しとしても、企業はそう簡単に賃上げの要請に応じることは出来ない。と私は思う。

何故なら、今、減税で多少賃上げすることが出来たとして、では、そのうちまた景気が悪くなってきたら、その時は賃下げしていいのですか? ということだ。

現行の法律では、それは簡単には出来ない。「不利益変更」というものがあるからだ。

賃金等の労働条件を労働者にとって不利益な方向に変更するには、労働者の同意を始めとして、いくつかのハードルをクリアする必要があって、一般的に非常に難しい。

今回、政府が賃上げをせよと企業に迫ったとしても、この不利益変更法理がある限り、企業は「はいそうですか」と簡単に賃上げは出来ないはずだ。

現行の労働法は、解雇したり、賃金を下げたりという、労働者にとって不利なことは、ことごとく簡単には出来ないようになっている。労働者の権利を守るということにおいては、一見それは正しいのだけれど、一度正社員で入社さえすれば、多少成績が悪かろうがいつまでもいられるし、簡単には賃金は下がらない、要するに既得権を守るように作られている法律なのだ。

でも、ここのところに勇気を持ってメスを入れていかないと、真に市場が活性化して、景気回復もおぼつかないのではないかと思うのである。