「会社の老化は止められない」 ~ 会社は死なない。でも必ず老いる。

を読んだ。

全体を通して言っていることは、会社も人と同じように老化する。そして、それは不可逆プロセスであり、逆戻りは出来ないということだ。

会社が老化するとどのような現象が出てくるかを、色々な例を挙げて説明している。

読んでいると、「ああ、それは言えるようなあ」「ああ、これはうちの会社でも同じだなあ」と思えるようなことが次々と提示され、どこの会社でも多分同じだろうと感じさせる。

でもだんだんと、じゃあどうすればその老化現象を止められるのか? ということが書かれてないじゃないか。と思えてきたのだが、読み終えた後で、その答えに気が付いた。

そうか、何らかの手段で「老化現象が止められる」だろうと思っていたこと自体、私が、会社には人間と違って、「永遠の生命」や「若返りの薬」というものが存在するはずと思っていたということなのだ。

私自身が、会社は永遠に生き続けると思い込んでいたのだ。

この本で筆者が一番言いたかったのは、この本の題名そのものだ。

即ち、

「会社の老化は止められない」

絶対に。そのことをまず認識せよ、話はそれからだ。ということなのだ。

この本の中で引用されていた名言が印象に残っているので、紹介させて頂きたい。

この一文は、ブランド力が大きくなると、それに依存する社員が増殖してくる弊害について説明しているくだりで引用されていたものだ。

大企業に勤めるというのは電車に乗ることに似ている。あなた自身が時速60マイルで走っているのか、あなたはただ時速60マイルで走っている電車でじっとしているだけなのか?
by アメリカの石油王 J・ポール・ゲッティ


企業に生きる一人一人がこれを胸に手を当てて考えてみるべきだろう。自分自身が老化した細胞になってしまっていないだろうか?