「解雇しやすい特区」は「ブラック企業無法地帯」なのか?

「解雇しやすい特区」検討 秋の臨時国会に法案提出へ (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

解雇規制を緩和し、いくら働かせても残業代を払わなくて良いという、特定の地区を作るという案らしい。

これを聞いて、非常に不謹慎ながら、昔ウルトラマンで無人島に怪獣を集めた「怪獣無法地帯」という話があったのを思い出した。

てゆうか、これ、「ブラック企業無法地帯」じゃないの? そんなとこに誰が好き好んで就職するの? と思ったら、いつも切り口爽やかな城繁幸氏が、こう言っていた。

仮に「従業員を過労死寸前まで、それも手当無しでサービス残業させてやろう」と考えている経営者がいたとする。彼は特区に新しく会社を作り、雇い入れた従業員に毎晩遅くまで働かそうとするだろうが、従業員のほとんどは一週間持たずに逃げ出すだろう。なぜなら、特区は流動性が高いから。

Joe's Labo : 雇用特区でブラック企業が生きていけないわけ


なるほど。解雇しやすいということは企業にとっては採用しやすいということだ。労働者にとっては転職しやすいということ。つまり、ブラックなことをされたら、解雇する前に従業員の側から
「あ、そうですか、じゃさいなら」ということになるのだ。

つまり、ブラック企業はそこでは生きていけない。

となると「特区」は「ブラック無法地帯」どころか、存分にやりたいことをやりたい労働者にとっては、会社から経費削減のための残業規制を受けることもなく、存分に仕事ができる天国ということになるのかも知れない。

おそらく、それがこの「特区」の狙いなのだろう。そこまで理想的に思惑通りにことが運べば・・・だが。

ちなみに、素行が悪いとか、極めて能力が低いとか、会社にとって辞めてもらいたい社員を仕方なく抱えている企業は、この「特区」に事業部なり子会社なりを作って、そこに出向させるというのはアリなんだろうか?

ブラック企業ではないにしても、お荷物社員の姥捨て山になったりはしないだろうか?

しかし、この「特区」というのは、なかなかに過激な案ではあると思った。