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「ディスタンス」

最近のマイブームである、是枝裕和監督作品。

「ワンダフルライフ」「空気人形」に続いて、今日は、「ディスタンス」という作品を見た。

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カルト教団による細菌テロの実行犯が、犯行後に教祖によって殺害された。
主人公はその遺族たち4人。

4人は3年後の命日に、肉親が殺害され、散骨された山中の湖に追悼のために集まるのだが、彼らが乗ってきた車が盗まれてしまったことから、たまたま現れた元信者に導かれ、教団のアジトであった山荘で一夜を過ごすことになる。

この事件が無ければ何の接点もない他人同士。そして彼らは「加害者の遺族」という社会的にはとても微妙な立場の者たち。

是枝監督は、そんな状況の主人公たちの触れ合いを、会話の殆どを俳優のアドリブに任せるという大胆な手法で描いた。

沈黙の間が長かったり、台詞を噛んで言い直したり、二人同時に話してしまったり、見る側にとっては必ずしも聞きやすい状況ではないのだが、その会話の緊張感が、主人公たちのお互いの微妙な距離感を表現していると思った。

そう、題名の「ディスタンス」とはきっと、その心理的な距離感のことなのだろう。

ともすれば、こういう静謐で淡々とした映画は、飽きてくるか辛くなってくるものだが、彼らのぼそぼそとした会話は、「いったい彼らは誰で、何を抱えた人達なのだろう?」と、見る者を静かに惹きつける。

斬新な手法が、見事に成功していたと思う。流石だと思った。


ディスタンス Distance -trailer- Hirokazu Koreeda - YouTube

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