「空気人形」
つい先日見た、「ワンダフルライフ」がとても良かった是枝裕和監督作品ということで、見てみた。
主人公ののぞみは、寂しい独身男性の所有するダッチワイフだ。
それが、ある日心を持って歩き出す。そういう話。
のぞみは公園のベンチで出会った老人と会話する。
「わたし、からっぽなの」
「奇遇だな、私も同じだ。からっぽだ」
その後に老人が語る、吉野弘の「生命は」の詩のシーンが秀逸だ。
生命はすべて
そのなかに欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ
これがそのままこの映画のテーマになっている。
映画の中では、のぞみを所有する独身男性をはじめ、様々な「欠如」を抱いた孤独な人々が描かれる。
「他者」から満たしてもらうことが出来ずに、それは、もしかしたら空気人形以上に、「からっぽ」な生命なのかも知れない。
主演の女優は、韓国のペ・ドゥナ。見たことがあると思ったら、「グエムル-漢江の怪物」でアーチェリー選手の姉を演じた人だった。
その時の凛としたヒロイン像と打って変わって、本当に「心を持った人形」の演技が、たどたどしい身のこなしや言葉つきで素晴らしかった。
是枝監督は良いですな。まだ見ていない作品があるので、近いうちに是非コンプリートしたいと思う。
Air Doll (空気人形) Trailer - YouTube
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