空き缶が落ちていた

バンド仲間でもあり私のメンターでのあるビジネス書作家の小倉広氏の最新刊を読んだ。

この本に書いてある「100の方法」はどれも全く難しいものではない。タイトルに「たった1分で」とある通り、誰でもやる気になればすぐ出来ることばかりだ。例えば、

「通勤途中に、空き缶を拾う」

「必ずテーブルに椅子を入れる」

「玄関にある靴のかかとを揃える」

「ゴミを分別する」

などなどだ。

著者は、そういう誰にでも出来るけれど、疎かにしてやろうとしないようなことを、一つずつ積み重ねて行くことで、自分に自信がつくのだと言う。「小さな一歩の肯定」。それがやがて大きな自信になって、仕事も出来るようになる。

また、ここに書かれている「100の方法」は、決して難しくはないのだけれど、「やろうとは思っているんだけど実際はなかなか」というものでもある。

この本に書かれていることは、実は全て著者が以前は出来なかったこと。それを一つずつ積み重ねて出来るようになってきたこと。

人はなかなか続けることも出来ないと言うことも、著者は肯定している。できなくなっても自分を責めずに、何度でもやり直せばいいのだと。

実は、この本を読み終えた夜、不思議なシンクロニシティがあった。

会社からの帰宅途中、道の真中に空き缶が落ちていたのである。

もちろん、その瞬間に、この本に書かれていたことを思い出した。

でも、道に落ちている空き缶を拾うなどということは、恥ずかしいことではあるが、今まで、この歳になるまでやったことがない。

実は、私は、一度通り過ぎた。

そして、思い直して戻り、空き缶を拾った。ちょっとドキドキした。

しかし、神様も、こうもあからさまに人を試さなくても良いものだとは思ったが、一見、簡単なことでも、これだけ抵抗を感じてしまうということが分かった。

これに慣れて、抵抗を感じないようになったら、その時は自分が変われたと言うことなのだろうなと思った。